進歩性に悩める弁理士のブログ

主に自己の業務の備忘録として思うまま書いていきます ※業務以外の雑談も

審査官面接

本日、審査官へ電子メールで補正案を送った案件について審査官から「OKです」の連絡を頂きました。*1
特許出願の拒絶理由通知は以下のパターンが大半を占めますが・・・
 i)新規性欠如と進歩性欠如の少なくともいずれかを含み、記載要件違反は無し
 ii)記載要件違反のみ
 iii)新規性欠如と進歩性欠如の少なくともいずれかに加え、記載要件違反
自分の場合、ii)の場合であって審査官に事前に補正案を見て貰わないとちょっと危険かな、という場合のみ審査官へ補正案の確認を求め、i)の場合は審査官へ補正案を見て貰うということはこれまで基本的にしませんでした。尚、iii)の場合は、記載要件違反が解消しているかどうかだけを見て貰うことはありました。
理由は、過去にi)に対する補正案を審査官に見て貰おうとしたら「サーチの必要があるから意見書と補正書で反論して」ときっぱり断られたことがあったことが大きく影響しています。ただ勿論、全部の案件について審査官に相談していたら審査官も代理人も身が持たない、ということもあるにはあります。
なので進歩性欠如が解消したかどうかについて審査官に意見を求める場合は、きわめて重要な案件の場合で、その場合は庁に出向いて面接するという認識でいました。
ちょっとここで審査官面接を整理すると、
 (1)電子メールで補正案を送り、電話でやりとりする方法
 (2)庁に出向いて直接審査官と面談する方法(今だとオンライン面談でしょうか)
・・・以上の2パターンがあります。自分の場合、進歩性欠如が解消したかどうかについて審査官に意見を求めるには、(2)が推奨される((1)は嫌がられる)、と勝手に理解していました。ただまぁ、(1)も(2)も審査官にしたら「忙しいのに勘弁してよ~」なのかもしれませんが。

しかし最近、請求項をかなり限定しても「設計事項」ということで最後の拒絶理由通知を得ることなく拒絶査定されるケースが体感で多く、ちょっとトラウマになりつつあります。(勿論、「かなり限定」というのは互いに関連性の低い周知慣用技術をたくさん盛り込んだというのではなく、関連性があってちゃんと作用効果を奏するものです) そのため今回、普段あまりやらないこと、つまり進歩性欠如が解消したかどうかについて(1)の方法で審査官に「可能でしょうか?」と相談してみました。結果、あっさり「OKです」と言われ、そして冒頭に記載した様に送った補正案もあっさりOKが出ました。
この案件、最初の拒絶理由通知は従属項もことごとく「設計事項」で、「ちょっと辛いな・・・」と感じる内容であり、補正案も割とチャレンジ気味だったので、「NGです」と言われるかと思ったら、あっさりOKでした。
なので今後は、明らかに新たなサーチが必要になりそうな補正を除き、ちょっと危ないなと感じたら審査官に補正案を見て貰うのが吉かもしれません。
とはいっても、最終的には審査官によって温度差があるのかもしれませんがね・・・

*1:主たる事務所において