進歩性に悩める弁理士のブログ

主に自己の業務の備忘録として思うまま書いていきます ※業務以外の雑談も

オミクロン侮れません

今月に入り、人生初コロナに罹患しました。9/3(月)夜に急な発熱、計ったら38℃。「まさか」と思い、(訳があって)家に大量にストックされていた抗原検査キットで検査してみたら見事に陽性。
病院での抗ウィルス薬は既に自治体の補助が終わっており、処方してもらうと1万5千円だの3万円だのと、とんでもない値段。しかも飲んでも効果は飲まない場合に比べて症状が1日程度早く収まるという程度のもの。ネットで調べてみても、いまではもはや大半の人が解熱剤等の対処療法で軽快しているようで、病院でも抗ウィルス薬の積極的な処方はしていないとのこと。
オミクロン株はデルタ株より症状は軽いようだし、今では5類移行だし・・・ということで自分も病院にはかからず、市販の風邪薬等で対処しよう、との方針に決めました。

(発症直後は1日おき、発症後5日以降は毎日抗原検査を行ったところ、発症後6日目で陰性は確認できました。)

発熱自体は1~2日で収まり、一瞬「なんだこれで終わりか」と思いましたが、そこからが大変でした。というか、現時点でもなお進行中です。
先ず、発症後3日目くらいから咳が出始めました。痰がからむ咳で、幸い寝ている間は症状は出ませんが、朝起きて体が温まってくると酷くなってきて、起きている間はずっと続きます。この咳は、発症後2週間くらいまでが酷く、その後はだいぶ収まりましたが3週間以上経った現在でもなお残っています。しつこいです。
そして最も辛いのが、味覚・嗅覚がやられたこと。これにはもう、本当に心が折れます。人間、食べる楽しみを奪われると、日々の楽しみのかなりを奪われてしまいます。発症直後は特になんともなかったのですが、熱が収まるのと引き換えに、味覚・嗅覚がやられました。味覚・嗅覚の正常時を「100」とすると、発症後4~5日目で「10」くらいまで低下しました。ノンアルコールビールを飲んでも、全く風味を感じません。コーヒーも水のよう。食事も、例えばチキンのてりやきを食べても、味のしないガムを噛んでいるようです。その後発症後2週間かけて、少しずつ「10」から「60」くらいまで戻り、発症後3週間で「70~80」まで戻ってきましたが、3週間以上経った現在でもなおその状態で、完全に元には戻っていません。「ふわっ」と香るような微妙な匂いがせず、例えば家の玄関から外に出ても全く空気の匂いはしないし、逆に外から帰ってきて家に入っても特有の匂いがしません。コーヒーの味も変なままです。
「オミクロン」「5類移行」・・・このワードで軽く見てしまっていましたが、全く侮れません。またこういった後遺症で、メンタル面でやられることも今回わかりました。
高価で、症状が1日程度早く収まるだけという抗ウィルス薬ですが、上記のような後遺症が軽くなるのであれば、間違いなく処方してもらっていました。実際どうなのかは判りませんが、抗ウィルス薬が後遺症に効果があるという情報もネットで見かけるので(発症後速やかに服用していれば、ですが)、次に感染したら絶対に抗ウィルス薬を処方して貰おうと思っています。
早く、美味しいビール、美味しいコーヒーが飲みたいです。(トホホ・・・)

甲子園決勝戦での延長タイブレークについて

高校野球ロスに陥っております、あすみ総合特許事務所の代表弁理士・鈴木です(苦笑)。
恐らく今年最後の高校野球ネタです。
甲子園での熱い戦いが終わりました。開会式をみたとき、今年は一体どんな熱戦が繰り広げられるのだろう?もしかしたらそれほど波乱もなく熱い戦いもなく淡白にすっと終わったりして・・・?などと思いもしましたが、やはりそこは高校野球。そんなはずがある訳ありません。
個人的に脳裏に一番焼き付いたのはやはり準決勝・神村学園vs関東一での、関東一・センター飛田君の神バックホームです。こんなことがあるのか!と本当に興奮しました。二番目には、やはり自分が千葉県民ということもありますが、神村学園vs木更津総合での、木更津総合・レフト山口君の超ファインプレー。プロ注目の神村学園・正林君の放った大飛球を超ダイビングキャッチ。ピッチャーの千葉君が大喜びして手を叩いていたのも印象的でした。
そして決勝戦の関東一vs京都国際も大熱戦で、延長タイブレークに突入し、結果的には京都国際が勝ちました。決勝での延長タイブレークは初めてとのこと。
この試合、生で観戦することはできず、あとから録画で見たのですが、延長タイブレークに突入したときに感じたのは「あぁ、タイブレークなしの延長戦で見てみたかったなぁ。そうしたら一体どっちがどうやって得点圏にランナーをすすめて、どう得点したんだろうか?」・・・でした。
そうしたらやはり、決勝戦での延長タイブレークに関しては賛否両論が出ている様子。本日のTBS・サンデーモーニングでも野球解説者の二人が同意見のようでした。
そんな意見がでるほどに、両校の9回裏までの戦いは見事で、息詰まるものでした。
まぁ、延長タイブレークの導入趣旨(投球数の抑制)に鑑みて、「最後くらいは」という理由で決勝戦の延長タイブレークが見直される可能性はほぼゼロでしょうけどね。
それと球児たちは延長タイブレークの練習を相当やりこんでいる筈。人というのは練習したことを実戦で試したくなる生き物なので、球児たちは延長タイブレークに突入したとき、「日頃の練習の成果をみせてやるぜ!!」と気合が入ったのではないでしょうか。なので、当の球児たちは、決勝戦での延長タイブレークに異論は殆どないのでは?と思ったりします。(→全くの勝手な想像なので、あしからず。)
とはいえ、決勝戦でここまで実力が拮抗して素晴らしい戦いを繰り広げ、9回裏終了時点で点差がつかない2校を、どちらが勝ちか決めなくてはならないというのは、本当になんともツライというか、理不尽さのようなものを感じます。もう、両校優勝でいいのでは?とも思ったりしますが、でもそっちのほうが当の球児たちはきっと納得いかないでしょう。
ところで野球の延長タイブレークは、サッカーのPK戦に少し似ていると感じています。サッカーのほうが、究極に点数が入るシチュエーションではありますが。
2022年のサッカーW杯・決勝戦(アルゼンチンvsフランス)では、前半・後半で決着つかず、延長戦でも決着つかず、PK戦で勝敗が決しました。
だからという訳ではないですが、高校野球も少なくとも決勝戦での延長タイブレークは、いきなり始めるのではなく、3回程度タイブレークなしの延長戦とし、13回くらいからタイブレークにしたらどうかなと、単なる一高校野球ファンの自分は思います。
これは、千葉県大会での決勝戦でも同じように思いました。千葉県大会の決勝戦木更津総合vs市立船橋)も、息詰まる投手戦の結果1-1で延長タイブレークに突入し、好投していた市立船橋の投手エラーによりサヨナラ終了という、観客視点ではちょっと色々考えてしまう終わり方でした。
いずれにせよ、今年も本当に素晴らしいものを見させてもらいました。

生で見る野球応援に圧倒された

自分は高校野球ファン且つにわか阪神ファンにもかかわらず、実際に球場で試合を観戦したのはおよそ40年前を最後に一度もないという、本当に野球ファンなのか?というていたらくです(苦笑)。高校生のとき、全校応援ということで右も左もわからず駆り出され、観戦・応戦したのが最後でした。でも案外、私のような人は結構多いのではないでしょうか。
これまで何度か観戦しに行ってみようと思いつつ、テレビでみたほうが球種もわかるしその他諸々解説つきで判り易いし・・・というのが私のこれまでの屁理屈です。
ですが先日、約40年ぶりに生で観戦しました。高校野球千葉県大会のまだ3回戦ですが、自分の子供が現在高校の吹奏楽部で、野球応援に駆り出されているので、休日ということもあり応援がてら見に行ってみようと思い立ちました。でも本音を言えば、球場が県営野球場など施設の充実度が低いところだったら行かなかったかもしれませんが(苦笑)、今回はZOZOマリンスタジアムということで、そのことに背中を強く押された感じです。

(3回戦ということもあり外野席は写真の通り殆ど人はいませんが、休日ということもあってか内野席は結構人が入っていました。)
しみじみ思ったのは、生で見る両校の応援は、テレビで見るよりもの凄い迫力だということ。球場に入った途端、圧倒されました。なかなかに感動ものでした。
応援人数がそこまで多くない状況でこうですから、春・夏甲子園の迫力は相当なものでしょう。
今後、生での野球観戦にハマってしまいそうです(笑)。
チケットをとるのが難しいでしょうが、今年は是非一度、夏の甲子園に観戦に行きたいと思っています。

【裁判例】 令和6(行ケ)10002 容易想到性の判断の誤り

 だいぶ久しぶりの裁判例の検討となります。今回は「令和6(行ケ)10002」です。判決言渡日は2024/5/23。無効審判の不成立審決を取り消す請求に対し、理由があるとして審決が取り消されたものです。
特許庁は進歩性ありと判断、裁判所は進歩性なしと判断)
 尚、久しぶりの検討ですが、以前にも同様なことを書いた記事がありましたが今回もあまり教訓になることはないかもしれません(苦笑)。本件発明と引用発明とを対比すると、本件発明の進歩性はないだろうと第一印象で感じる様な内容で、実際その通りとなっています。本件発明の進歩性を否定した裁判所の判断が、普段の実務での特許庁審査官の判断に近い感じです。審判官の判断は、「それはちょっと苦しいのでは?」という印象を受けます。

【本件発明(特許6889970)の概要】
 請求項1-7まであり、無効審判で請求項2、6を除いて無効と判断され、請求項2、6は特許性ありと判断されました。請求項2は物の発明、請求項6は製造方法の発明で、要旨としては同じなので請求項2に係る発明を「本件発明2」として以下説明します。
 本件発明2は、土木工事用の不織布に関する発明で、波によって堤防の法面が削り取られること(「洗堀」というらしいです)を防ぐために張られるシートです。「洗堀 シート張り」でネットを検索して写真やイラストを見るのが最も手っ取り早く理解できるでしょう。下図は、図1です。
 白色繊維と着色繊維との混合物からなり、着色繊維はカーボンブラック製の顔料を含んだ黒色系の色彩を呈し、不織布本体が鼠色の色彩を有し、且つ斑模様を形成し、着色繊維の混合量が重量比で10~90%の範囲にあることを特徴とします。 

 明細書には、発明の効果(目的)として幾つか記載されていますが、おおまかには、不織布表面が斑模様を呈することから、特定した複数の斑点間の距離を伸長前と伸長後に実測することで、不織布の伸び率を正確に把握することができ、不織布の伸びを適正に管理しながら敷設することができる、というものです。
 但し着色繊維の混合量が重量比で10~90%の範囲にあることによってどの様な作用効果が奏されるかの記載はありません。
 尚、着色繊維の混合量に関して以下の記載はあります。
「実用上は20ないし80%の範囲が望ましく、機能的には50%の混合量が最もよい。着色繊維の混合量が20%より小さいと、不織布の全体色が薄くなって斑が形成され難くなり、さらに光が反射しやすく、さらに耐候性に問題が生じる。着色繊維の混合量が50%を超えると、不織布の全体色が濃くなって肉眼で斑を識別することが難しくなる。」


【引用発明】

 特許文献ではなく実在する製品が引用発明です。「株式会社田中」の「ニードキーパー NK-800Z」という製品(以下「800Z製品」)で、ネットで検索すると出てきます。
 800Z製品が本件発明2と相違する点は、800Z製品の着色繊維の混合量が重量比で仕様上5%であり、実測値が7.5%であることです。
 言ってしまえば、ただそれだけです。なので本件発明2は「一定の課題を解決するための数値範囲の最適化又は好適化」という、設計変更の典型例のようなものと言えるかもしれません。
 ですが審判では以下の様に判断されました。

【審判での判断】
 審判では、以下の様に判断されました。
・800Z製品は、一定の品質を保って製造されるものであるところ、白色繊維と黒色繊維の比率を変えるような設計変更をすることは、通常行わない
・製品仕様の5%を中心に大小の値が測定されることが技術常識であるところ、800Z製品において、黒色繊維の混率を7.5%から更に高める動機はないし、製品仕様の5%を、桁の異なる10%以上とすることには阻害要因があるといえる。

・・・なかなか苦しい主張に見受けます。

【裁判所の判断】
 裁判所は、以下の様に認定しました。
・本件発明2において黒色繊維の混合比率を10ないし90%の範囲としたことに特段の技術的意義があるとは認められない。
・カーボンブラックが、耐候性、耐摩耗性及び遮光性の向上、光の反射による作業者への作業上の障害の防止、景観を損なうことの防止等を目的として、所望の効果が発揮できる量で土木工事用不織布を含む土木工事用シートに添加されているものであること、及び、土木工事用の防砂シート(不織布又は織布)として用いられる製品の色の濃さが一様でなく、白色の製品、灰色の斑模様の製品とともに濃灰色ないし黒色の製品も使用されていることが、本件出願日の時点における技術常識であったと認められる。
・(カーボンブラックの上記目的を前提として)黒色繊維の比率を増減することは、当業者の設計事項にすぎないというべきである。また、黒色繊維の比率を7.5%より高める動機付けがあったということができる。
・800Z製品の仕様として黒色繊維の比率が特定の値に定められているからといって、この値を変更することに阻害要因があると認められることにはならず、800Z製品の使用における黒色繊維の比率が1桁である5%とされていることから、この比率を2桁の10%にすることに阻害要因があると解することもできない

【考察】
 着色繊維の混合量が重量比で10~90%の範囲にあることによって異質且つ顕著な作用効果がない以上、設計事項と判断されることは至極自然な流れに見受けます。審判官は、800Z製品の仕様値が5%であることを踏まえ、一定の品質を保って製造されるものだから比率を変えるような設計変更をすることは通常行わないとか、桁の異なる10%以上とすることには阻害要因があると主張して本件発明2の進歩性を肯定していますが、これが通るのであればむしろ普段の権利化実務に使えますね(苦笑)。
 本件明細書では、「着色繊維の混合量が20%より小さいと、不織布の全体色が薄くなって斑が形成され難くなり、さらに光が反射しやすく、さらに耐候性に問題が生じる。着色繊維の混合量が50%を超えると、不織布の全体色が濃くなって肉眼で斑を識別することが難しくなる。」と記載しているので、着色繊維の混合量を重量比で20~50%の範囲に設定していれば、少し状況は変わったかもしれません。
(但し異なる型番の「NK-500S」は黒色繊維の混合率が23.9%だそうで、これが証拠の一つとして挙げられていることから、結果的に権利化は難しいと想像されますが。)
 ただ、ざっくりでも良いので数値範囲のパターンをできるだけ多く、且つ各パターンの特有の技術的意義を(何とか捻りだして)記載しておけば、あとあと権利化の際に役立つことがあるということは改めて認識できました。


【詳細情報】
知財高裁 裁判例検索結果へのリンク


※注)上記裁判例に関する本ブログの記載はあくまで個人的な見方となりますこと、ご了承ください。


 
 

充実したGWでした

今年はカレンダー通りのGWでした。ここ数年は休暇をプラスして登山に行ってましたが、今年はGW前、GW期間中と仕事で精神的にキツイことが続き、遠出という気分になれませんでした。ですが近場でリフレッシュでき、振り返ってみればそれなりに充実したGWでした。うち1日は、久しぶりにバイクで房総半島を走ってきました。

上の写真は房総フラワーラインの途中、見物海岸という場所で撮ったもの。房総というと上の写真のように海のイメージですが、個人的にはバイクで走る場合「山」のイメージです。房総は「山」がいいんです! おススメです!! 勿論、房総には高い山はありませんが、低山を縫う様に走る県道・国道がとても良いのです(「のんびり走りたい派」にとってですが(苦笑))。道幅がそれなりに広く、アップダウンが急すぎず、信号が少なく、そして交通量も少なく、バイクで走るには最高です。 以前の記事(久しぶりの息抜き - 進歩性に悩める弁理士のブログ (hateblo.jp))で県道88号が良かったと書きましたが、今回は県道89号、国道410号、安房グリーンラインが良かったです。房総の下のほうに行くには勿論館山道で南下するのが速いですが、国道410号を使ってのんびり南下するのもおすすめです。下の写真は、県道89号です。

前回良いと思った県道88号も、今回も走りました。県道88号の途中、「道の駅三芳村鄙の里(ひなのさと)」という道の駅があるのですが(写真は撮り忘れました)、非常に綺麗で、足湯があり、また私の大好きなアイスコーヒーが滅茶苦茶旨い! こちらもおススメです。

明日からまた頑張ります。

運動制限期間明けの運動はきつかった

 先週のことですが、術後一か月の運動制限期間が明けて、おそるおそるいつもの体力確認トレイルコース(藤野駅陣馬山~景信山~高尾山~高尾山口駅の約20km)に行ってきました。
 かなり久しぶりの本格的な運動で、息が上がりまくり。筋力不足も痛感し、やっぱり登山は継続してやってないとダメだな、としみじみ思って帰宅後、これまでのタイムと比較したら意外にも寸分違わぬタイム。少しだけ安堵しました。
 この日は登山道よりも駅と登山口との間のアクセスが春爛漫を満喫できました。

 ところでこれから本格的な登山シーズンですが、千葉に住んでいるとなかなか思うように高い山に行けません。例えば日本アルプスの3000m級の山に登ろうとすると、どうしても登山前の前泊と登山後の後泊が必要になり、更にテント泊などで山中で泊まろうとすれば最低でも4日間が必要になります。登山後の後泊は、頑張って家に帰れば不要ですが、マイカーアクセスの場合は登山で疲れきった体で長距離ドライブをして帰るというのは、自分の年齢的には非常に危険に感じています。
 仕事・家庭・天候・自身の体調、のこれら4大懸念要素を完全にクリアした4日間の休暇というのは、そうそう確保できるものではありません。加えてマイカーアクセスの場合は、行き帰りで高速の渋滞に巻き込まれにくいスケジュールであることも重要です。そういう観点において山梨や長野に住んでいる方々がとても羨ましい(苦笑)。
 ですがそれを言っては元も子もないので、今年は頑張って種々のハードルをクリアしてどこかに登れれば良いなと思っています。
 (勿論、それが無理でも近場の低山で十分楽しめるんですけどね)

本物のプロがいた

 無事、手術が終わり症状が完全に消えました。入院時、本当に脈が酷かったので「こんな酷い症状、本当に治るのだろうか?」と疑心暗鬼でしたが、完璧に治りました。写真は、退院の為に会計待ちをしている際に手持ちの心電計で測定したものですが、「波形に乱れはないようです。」の表示は本当に本当に久しぶりに目にしました。
 今回は東京の或る専門病院でお世話になりましたが、医師たちのプロフェッショナルぶりと医療技術の進歩にただただ驚きました。心電図を見ただけで、おおよそ心臓のどのあたりから異常な信号が出ているかが判るとのこと。これまでどれだけ多くの症例に接してきたのか、容易に想像ができます。
 術後も最新の止血方法とやらのおかげで2時間後にはベッドから降りて歩行ができ、傷口は一体こんなとこからどうやってカテーテル入れたんだろう?と思うようなポツンと小さいもの。
 この時代に生まれて本当に良かったとしみじみ思うとともに、自分もこういうプロフェッショナルでありたいものだと考えさせられた入院でした。
 余談ですが、病院選びはなかなか難しいとも改めて今回考えさせられました。これまで2年もの間、自宅近くの町医者で診て貰い、色々な薬を試しては効かずに落ち込み・・・を繰り返してきました。通院の為に費やした多くの時間と費用、及びその間に味わった辛い症状は、最初から今回の病院にかかっていれば無かったものです。結局、患者が自分で「こういう治療を受けたい」という方針を決め、ぶれずにそれを確実に実行するしかないということですね。ただ、回り道をしたからこそ最適な結果に辿り着けた、とも言えるかもしれません。なかなか難しいところです。

 さて、あとはこれから1か月、お酒と激しい運動はNG。どちらも私の生きがいなので(苦笑)、なかなか辛いですがこれまでの不整脈の辛さに比べれば全くたいしたことはないものです。最初の1杯を楽しみに、頑張って禁酒します。