進歩性に悩める弁理士のブログ

主に自己の業務の備忘録として思うまま書いていきます ※業務以外の雑談も

審査の差が激しい

今週は良いことと悪いことが両極端でした。*1
良いことは、お客様が競合他社牽制の為に分割した出願・・・かなりチャレンジ的な、特許性の厳しいと思われていた案件が、特許される目途がついたこと(厳密には、たくさんある請求項の一部だけ拒絶で残りはOKという結果)。当方とお客様の双方が驚いた出来事でした(驚いちゃいかんのですけどね(苦笑))。担当審査官には非常に丁寧に審査をして頂いたと思います。感謝感謝です。
もう一つは上記とは全く真逆のケース。自分が進歩性の判断動向をおさらいしようと思った原因となった曰くつきの審査官から、「またか」という査定を頂きました。落としどころもきっちりあった案件です。そんじょそこらの公報には記載されていない技術を特定した請求項が含まれています。ですが全て「設計事項」orz。
恐らく上記の特許の目途がついた案件も、その審査官が審査していたら間違いなく全請求項NGだったでしょう。
「設計事項」は一度審査官がそう判断してしまうと、その認定を覆すのは容易ではありません。審査官の主観が大きく入り込んでいるからです。
設計事項かそうでないかの境界について、時間を見つけて精査しておこうと思います。

*1:主たる事務所において