約1か月、コロナの後遺症に苦しんだあすみ総合特許事務所の鈴木です。おかげさまで完全に回復しました。
さて本日も雑談です。ここ数日、ネットで青春18きっぷの改悪(と言う人が多い)の記事をよく見かけるのでちょっとこれに関して書いてみたくなりました。
この切符は若い人のみならず結構年配の人が利用しているようで、今でもなかなか人気があるようです。
といっても、一部の趣味を有している人を除き多くの人には興味のない(関係のない)話かもしれません。社会人になってしまえば、時間を金で買わざるを得ない人が殆どでしょう。かくいう自分も、記憶が正しければ高校時代(約40年前)には相当お世話になりましたが、社会人になってからは勿論のこと、大学時代でさえ使った記憶がありません。
(↑ちょっと懐かしくなってタンスの奥から掘り起こして撮影しました。)
この切符は、私が高校時代利用していたときは5枚綴りで1万円、1枚あたり2千円で、ばらして利用できるものでした。使い方は1人で5枚を好きに使うもよし、複数人で分けてつかうもよしでした。
調べたところその仕組みは1995年までで、以降は切符が1枚のみで、その1枚に日付を5箇所記入する仕組みに変わりました。そのことを噂で聞いたときは、ずいぶん使い勝手が悪くなったものだと思いました。
それが更に、今年の冬から大きく変わり、1人が連続した5日間または3日間使用する形態に限られるとのこと。(これまでの5日間用に加え、3日間用が新たに発売される)
これにより、ネットでは大きな落胆の意見が溢れています。
JR東日本の広報によると今回のリニューアルの主な理由は、「自動改札に対応する為」だとか。
ユーザー目線では、必ず有人改札を通らなければならないので入る際や出る際に時間が掛かる場合があり(有人改札に人が並んでいる場合など)、自動改札を通れるようにして欲しいとの声があったようです。
JR目線では、駅員や車掌の負担が増えるため、自動改札への対応の要請は恐らく内部でも相当前から挙がっていたのでしょう。
とはいえ、です。「その結果がこれですか?」とユーザーが感じるのは至極当然でしょう。
社会人なら普通に運賃を払え、などという短絡的な意見もあるようですが、それはちょっと短絡的すぎるでしょう。
或るサイトによれば、青春18きっぷの売り上げはなかなかのもので、経費を踏まえてもJR側にとっては大きな利益を生むものであるようです。
にもかかわらず、ユーザーからの批判、ひいてはユーザー離れを招くのが明らかであろうリニューアルをJRが何故行うのか?
理由は想像の域を超えませんが、社会の変化(働き手不足と、それに対応するための徹底した合理化)という大きな波にのまれた、というところではないでしょうか。(全くの勝手な想像です)
経費を差し引いて考えても利益を生むとはいっても、有人改札の利用が前提となると、人手が足りない状況で販売しても種々の弊害を生むだけです。
ただし・・・です。これはもう本当に感情論になってしまいますが、この切符はお金のない若者(特に学生)にとって自分の人生でかけがえのない思い出を作ることができる夢の切符、と言ってもよいように思います。(自分がそうでした)
もう少し他の方法がなかったのか、そこは大いに気になるところです。
多少値上げしても良いので昔のように5枚綴りとし、但し紙ではなく自動改札を利用可能な磁気乗車券にする、とか。勿論、ハードルは幾つもあるでしょうが、一人のみ5日間連続という使用制限をつけることなく自動改札を利用して貰うことは、現在の技術なら可能だったのではないかと思ってしまいます。
或いはそれが無理なら、せめて通学定期券(学割)を購入する際の仕組みを使って学生さんだけにこれまで通りの18きっぷを販売し、大人向けには名称を変えて今回のリニューアル内容で販売したらどうか、などと考えたりもします。学生さんは18きっぷの利用に際して学生証の提示を求める場合がある、などと制限をつけておけば、大人向けのネット転売は或る程度防げるでしょう。
ありとあらゆるものが合理化される昨今です。自分が若かった頃はあらゆるものが緩く、「あの頃は良い時代だった」と振り返ったりもできますが、今の若い人たちが歳をとって今の時代を振り返ると、果たしてどう思うのか。なかなか切ないですね。