進歩性に悩める弁理士のブログ

主に自己の業務の備忘録として思うまま書いていきます ※業務以外の雑談も

今日は山の日

最近、明細書執筆で若干バタバタしておりブログ更新が少し間が空いてしまいました。そして今日は仕事と関係のない話です。
自分は登山を趣味にしており、NHKのグレートトラバースをこよなく愛しています。今日は、田中陽希さんの講演会に行ってきました。あすみ総合特許事務所にほど近い千葉市民会館での開催でした。

2019年の台風15、19、21号で被害を受けた房総のトレッキング道を復興するプロジェクトが主催した会で、復興状況の説明などがありましたが会場に来ている多くの人はそのあとに行われる田中陽希さんの300名山人力踏破のお話が目当てだったことでしょう。
撮影の裏話など興味深い話が聞けてとても有意義でしたが、その中の一つのエピソードが自分的にちょっと考えるものがありました。
ある行程中(ロードを歩いているとき)、陽希さんがとあるガソリンスタンドに、トイレを借して頂けないかと、事務所の外で作業をしていたオーナーさんに頼んだそうです。そのとき、そのオーナーさんは快諾してくれたそうで、陽希さんはトイレを利用させて貰うことができた。ここまではいいのですが・・・陽希さんがトイレから出たら、オーナーさんが事務所の中に戻っており、それが外から見えた陽希さんはオーナーさんに向かって帽子を脱いで一礼し、去ろうとした・・・そうしたらそのオーナーさんが、こっちに来なさいという手招きをしたそうです。そのとき外は結構寒かったらしく、陽希さんは「コーヒーでもごちそうしてくれるのかな?」と思いつつ「失礼します・・・」と事務所の中に入っていったそうです。
そうしたらそのオーナーさんは「礼をするのなら対面で相手の目を見てしっかりするべきだよ」と、諭す言葉をかけたとのこと。
陽希さんは、そのとき自分がとても恥ずかしかった、と言っていました。ましてコーヒーなどごちそうしてくれるのかなと思ったなんて(自分が未熟だった)・・・と。
これを聞いて、私は私がすごく嫌いな「”高度な価値観”を他人に押し付ける人」を思い浮かべました。勿論、そのオーナーさんの言うことは一理あるかもしれません。ガソリンを入れるわけでもない一人の旅人に無償でトイレを貸したわけですから。でも、帽子をとって一礼もしている人間をわざわざ自分のところまで呼び寄せてそこまで言うか? と思ってしまいます。
しかもそのオーナーさんは、陽希さんのことをテレビで見ていて知っていたとのこと。結局、話がしたかっただけなんじゃ?と思ってしまいました。
いずれにしてもそこで(私のような人間と違って)自分の未熟さであると真摯に反省する陽希さんは立派だなぁと感心し、会場をあとにしました。